CASES

想定されるケース

借地・底地の場面で不動産鑑定評価がどのように機能するのかを、典型的な5つの場面でご紹介します。

※ 以下はいずれも、借地・底地の実務で典型的に生じる状況を想定して構成したケースであり、当事務所が取り扱った特定の事案ではありません。

CASE 01/底地の売却・セカンドオピニオン

底地を買取業者に売ろうとしたが、提示額の低さに迷っている

状況

先代から相続した貸地(底地)を整理したい地主様。底地専門の買取業者に打診したところ、想像を大きく下回る金額が示されました。地代は長年ほとんど改定しておらず、借地人は高齢の方です。この金額で手放してよいのか判断がつきません。

論点

底地の価格は、受け取っている地代と、将来土地が戻ってくる可能性で決まります。地代が低い底地は収益性が低く、価格が下がるのは自然なことです。ただし買取業者の提示額には、その後の借地人との交渉や転売のリスクと利益も織り込まれています。どこまでが底地そのものの低さで、どこからが業者の事業上の見込みなのかが見えないことが迷いの原因です。

鑑定評価がどう機能するか

セカンドオピニオンで、提示額が前提としている地代・期間・借地人との交渉の見込みを確認し、地代に基づく収益価格の考え方と比べて不合理な点がないかを検証します。あわせて、借地人に売る・借地人と同時に売るといった他の選択肢で、価格の見通しがどう変わるかを整理します。

成果物の型

まずセカンドオピニオン(5万円〜)。借地人との売買交渉に進むなら、限定価格を含めた価格等調査報告書または鑑定評価書。売却そのものは地元の宅建業者をご紹介できます(紹介料は頂きません)。

CASE 02/譲渡承諾料

相続した借地の家を売りたいが、地主から高額な承諾料を求められた

状況

親から相続した借地上の家を第三者に売りたい借地人様。地主に譲渡の承諾をお願いしたところ、承諾料として更地価格の相当割合に当たる金額を示されました。買主候補もいるものの、承諾料の額が決まらず売買が進みません。

論点

譲渡承諾料に法律上の定額はありません。借地非訟で裁判所が許可する場合、借地権価格の10%程度を基準に諸事情を考慮して定められることが多いと紹介されています(日本地主家主協会の解説による)。提示額の計算の基礎が「借地権価格」なのか「更地価格」なのかで、金額は大きく変わります。

鑑定評価がどう機能するか

借地権の価格を評価したうえで、提示された承諾料が目安とどの程度離れているか、その理由(地代の改定や期間の延長がセットになっているか等)を整理します。地主が承諾しない場合の借地非訟という選択肢や、地主が介入権を行使した場合の対価の見通しも、価格の面から検討します。

成果物の型

交渉段階なら価格等調査報告書、借地非訟を見据えるなら鑑定評価書。手続の選択は弁護士にご確認ください。弁護士未依頼の方には弁護士のご紹介も可能です。

CASE 03/当事者間の売買(限定価格)

借地人から「底地を買いたい」と言われ、価格の決め方が分からない

状況

長年土地を貸してきた地主様に、借地人から「建て替えを機に底地を買い取りたい」との申し出がありました。地主様は借地権割合で計算した底地の金額を考えていますが、借地人は買取業者の提示額程度を想定しており、双方の想定額に大きな開きがあります。

論点

借地人が底地を買えば、土地は完全な所有権に戻り、底地と借地権を別々に持っているときより価値が高まります。不動産鑑定評価基準は、借地権者が底地を買い取る場合には市場性の回復等に即応する経済価値の増分が生ずる場合があることに留意すべきとし、こうした当事者間の売買で求める価格を限定価格と位置づけています。この増分をどう分け合うかが、価格交渉の実質的な論点です。

鑑定評価がどう機能するか

底地の正常価格(第三者に売る場合の価格)と、借地人が買い取る場合の限定価格を分けて評価し、増分の大きさと配分の考え方を示します。地主・借地人の共同依頼にすれば、双方が同じ数字を前提に話し合えます。

成果物の型

当事者間の売買価格の合意に使う鑑定評価書。親族間・同族会社との取引であれば、課税上の取扱いは税理士にご確認ください。

CASE 04/建替え承諾料

木造の建物を建て替えたいが、地主が承諾料の額で難色を示している

状況

築年数を経た木造住宅の建替えを計画している借地人様。契約書には増改築には地主の承諾が必要との特約があり、承諾を求めたところ、地主は承諾料の額について明確な回答をしていません。住宅ローンの手続も止まっています。

論点

増改築を制限する特約がある場合、借地人は裁判所に承諾に代わる許可を求めることができます(借地借家法17条2項)。借地非訟の実務では、全面的な改築の承諾料は更地価格の3%〜5%程度とされることが多いと紹介されていますが、建替えにより借地期間が延びるかどうか、構造の変更を伴うかどうか(非堅固から堅固へは条件変更の問題になります)で考え方が変わります。

鑑定評価がどう機能するか

更地価格を評価したうえで、計画している建替えの内容に即した承諾料の水準を整理し、話し合いの土台となる金額を示します。条件変更を伴う場合の目安との違いも説明します。

成果物の型

交渉段階なら価格等調査報告書。借地非訟の申立てを検討する場合は、弁護士と連携して鑑定評価書をご用意します。

CASE 05/更新料の紛争

契約更新で更新料を請求したが、借地人が支払いを拒んでいる

状況

旧法の借地契約が満了を迎える地主様。前回の更新時には更新料を受け取っており、今回も同程度の割合で請求したところ、借地人から「契約書に更新料の定めはない」と支払いを拒まれました。

論点

最高裁は、宅地賃貸借で当然に更新料の支払義務が生じる慣習は認められないと判断しています(最高裁昭和51年10月1日判決)。支払義務の有無は、契約上の定めや合意の内容に左右されます。仮に支払う合意があるとしても、その額が相当かどうかは別の問題です。

鑑定評価がどう機能するか

支払義務の有無という法律上の判断は弁護士の職域です。当事務所は、更新料の「相当額」が問題になる場面で、一般に言われる目安、前回の更新料の算定の考え方、地代の水準との関係を整理し、価格の面からの資料を作成します。地代と更新料は一体で考えるべきものであり、あわせて地代の見直しを検討することもあります。

成果物の型

争訟案件として価格等調査報告書(30万円〜)または鑑定評価書(60万円〜)。法的な見通しは弁護士にご確認ください。

鑑定が必要かどうかの確認だけでも構いません

物件の内容と手続の状況をうかがい、どの資料が必要か、費用はいくらかをお伝えします。必要がなければその旨をお伝えします。初回のご相談は無料です。

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